自然療法で健康美人になる方法

中医推拿をはじめとする「自然療法」で健康美人になる方法をご紹介

なったら辛い四十肩(五十肩)の予防法と対処法

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ある日突然肩が痛くなって腕を上げられない…ついになったか⁈ これが噂の四十肩⁈いや、五十肩か?そもそも四十肩と五十肩の違いって…??

一度発症すると長引くし、ズキズキ痛んで夜寝られないことも。。放っておいてもそのうち痛みは消えるといわれるけれど、石灰化して固まってしまうと肩の可動域が狭まって動かしにくくなる可能性もあるので放置はおススメできません。

今回は、日常生活にも支障をきたす「肩の痛み」について考察したいと思います。

 

四十肩(五十肩)の原因

四十肩(五十肩)の正式名称は「肩関節周囲炎」といって、肩関節周辺の組織に起こる無菌性の炎症です。今のところ西洋医学的に明らかな原因は分かっていませんが、免疫系に関係があるのではないかと言われています。中医学的には、身体の回復力が衰えたところに、冷え(寒邪)や湿気(湿邪)が経絡に侵入して発症すると考えられています。30代と40代では身体の回復力が違うので、30代ではあまり発症せず40代以降に発症するから「四十肩」と呼ばれるのですね。また、長い間、首コリや肩コリを放置していたことによる筋肉の劣化も考えられるので、治療としては首や肩の凝りを解消することも必要になってきます。

その他、転んで肩を強打したり、ふとした動作がきっかけで肩周辺の組織を傷めたことが原因になる場合もあります。また、若いころにスポーツやお仕事で肩を酷使してきた方もなりやすいと言われているので、日頃からのケアが必要です。

四十肩(五十肩)の予防法

ストレッチと運動

血行を良くして老廃物(疲労物質)を排出し、肩関節周辺の筋肉や腱を柔らかく保つために、ストレッチや軽い運動は効果的です。ストレッチは気持ちよいぐらいの強さでゆっくりと伸ばしていきましょう。痛みがある時は無理に動かさないようにしてください。首周りや背中周りも動かしておくとスッキリします!肩甲骨の内側には代謝を上げるツボがあるので、肩を回す時は肩甲骨から動かすように意識すると良いですね。

 

食べ物

四十肩が身体の回復力や免疫力が落ちている時に発症しやすいことを考えると、普段の食事に気を付けることで、身体全体の抵抗力を底上げしておくことは非常に重要です。何事もバランスですが、筋肉のために良質なたんぱく質やミネラル、そして関節の動きをスムーズにするためにはコラーゲンを多く含む食品を摂ると良いでしょう。

整体やマッサージ

整体やマッサージも四十肩の予防としてはもちろん効果が高いです。四十肩を発症する方に多い慢性的な首コリや肩コリの解消のほか、経絡やツボを考えた推拿(すいな)の施術は、身体全体の抵抗力、人間が本来持つ自己治癒力を高めることにより四十肩の予防につながります。また、日々の姿勢も重要で、背中が丸くなり肩が前に入る状態が続くと、腕の重さをそのまま支えることになるので、どうしても首肩の筋肉に疲労が溜まり負荷がかかります。胸を張り肩を一旦外側に回してからストンと落とす、いわゆるゼロポジションを保つように気を付けると、首肩の負担を減らすことができます。定期的に整体を受けて正しい姿勢を整えておくことも、身体のトラブルのリスク回避につながりますね。

肩を冷やさない

上述の通り、中医学的に四十肩は経絡に冷え(寒邪)が侵入して起こるので、予防のためには肩を冷やさない事が大切です。夏の夜に冷房をかけたまま寝てしまい肩が冷えた結果、翌朝発症するということもよくあります。夏でも肩を出さないようにすること、お風呂にゆっくり浸かって身体を温めるなど、日頃から肩を冷やさない工夫をしていきましょう。

発症してしまったら?対処法

四十肩は重症化してしまうと激しい痛みで夜も眠れなかったり、日常の動きにも支障が出たりと大変なので、もし発症してしまったらできるだけ早い段階で適切な処置をすることが大切です。痛みの出方や段階によって対処法が変わってきますが、局所的な対処だけでなく、まずは身体を休めて回復力を高めることも忘れずに!

湿布を貼る

痛みが出るととりあえず湿布を貼る方が多いですが、基本的に冷やすのは良くないので、炎症で熱を持っている場合や腫れがある場合以外は冷湿布はやめましょう。「消炎鎮痛薬」が一般的ですが、「痛みの元」が奥の方にある場合には、なかなかお薬がそこまで届かず、あまり効かないかもしれません。その他お肌が弱い方はかぶれたりトラブルも起こりやすいので、湿布はあくまでも応急処置程度に考え、早いうちに根本治療を開始しましょう。

痛み止めの薬・注射

急性期の痛みが酷い時期は、整体やマッサージでは触れない場合もあるので、その場合まずは薬か注射で炎症を抑え、痛みを取ると良いでしょう。ただし、痛みが治まったからと言ってそのままにしておくと、患部の組織が固まって肩の可動域が狭くなり運動障害が残る可能性があるので、炎症や痛みが治まったら鍼灸や推拿(すいな)・整体で動かしながら筋肉及び周辺の組織をほぐして柔らげ、運動機能を回復させる治療をお薦めします。

すでに重症化して石灰化(石灰沈着性腱板炎)になっている場合も突然急激な痛みが出ることがあります。あまりの痛さに医療機関に駆け込むと、通常まずは注射、それでも良くならなければ手術を勧められることもあるようです。手術が嫌な場合は、痛みがある程度治まった段階で、鍼灸や推拿の東洋医学的治療に切り替えてみる方法もあります。

四十肩に効くツボ

最後に、中医学的に経絡やツボを考えた治療についてお話します。中医学的には、身体に出る痛みは全て「経絡のつまり」と考えます。経絡とは身体中に張り巡らされたエネルギーの通り道で、そのエネルギーが滞っている個所に痛みを感じるのです。ですので、四十肩の治療としては、その痛みが出ている肩周りのツボに鍼を打ったり、温灸で温めたり、推拿であれば手技によりツボを刺激して、エネルギー(気・血・水)の滞りを解消して経絡の巡りをスムーズにします。特に推拿はツボの刺激だけでなく、同時に筋肉のこりをほぐすこともできるのでお薦めです。

四十肩の治療でよく使われるのは、

①肩ぐう(けんぐう):肩甲骨と上腕骨のくぼみ(肩を真横に上げるとできる肩の先の筋肉のくぼみ)

②雲門(うんもん):鎖骨外側のすぐ下のくぼみ

③中府(ちゅうふ):喉の根元のくぼみと肩先を結ぶ線の中心。鎖骨から指2本下にあるツボ

自分でやる場合には、これらのツボを自宅用のお灸で温めるのも良いし、ほぐす場合には表面を動かさずにしっかり押す(指圧)を心がけましょう。また、手首にある6つのツボを押すのも効果的です。手首のツボは、

手の甲側手首の横ジワ上

①暘谷(ようこく):小指の下のくぼみ

②陽池(ようち):中央のくぼみ

③陽谿(ようけい):親指下のくぼみ

手首の内側(手のひら側)の横ジワ上

④太淵(たいえん):親指下のくぼみ

⑤大陵(だいりょう):中央のくぼみ

⑥神門(しんもん):小指下のくぼみ

これらのツボを親指でしっかり押しもみしてみましょう。患部から離れていても経絡を伝わって患部(この場合は肩)に効果があるのがツボのすごいところです。ツボ押しが難しければ手首を左右に回すだけでも大丈夫!これら6つのツボが刺激されて予防にもなります。

四十肩(五十肩)の予防と対策に関するまとめ

 肩の痛みでお悩みの方は非常に多いので、お伝えすることがたくさんあって長くなりましたが、まずは身体の免疫力を高めてしっかり予防すること。万一発症してしまったら我慢や放置をせず、早めに適切な治療を開始しましょう。普段からご自分の身体にしっかり目を向けて、定期的なメンテナンスを習慣にして頂けたら嬉しいです。